【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
ああ、だめだ。
私は私なりに素直になってたつもりだったのに。
全然流には届いてない...
届いてないどころか、勘違いされてるし。
「...わたし、もう圭のことは好きじゃないよ?
むしろ逆...」
「...」
「私ね、あんなに好きだった圭を簡単に忘れられるくらい、もっともっと夢中になれる人見つけた...って、流?」
カッコいいのかダサいのか、よく分かんないこの男は
綺麗にベッドから落ちていた。
足だけ天井に向かって伸ばしてる体勢に、クスリと笑ってしまう。
「だっ...誰だ!!圭より夢中になれる男って!!??
俺のムギの心を簡単に射止める奴なんかぶっ殺してやる!!!!」
すぐに立ち上がって、今度は寝転がってる私の肩をベッドに膝をつきながら揺らしてくるから...ベッドがギシギシうるさい。
「ちょっと流落ち着いて」
「落ち着いてられるかっ!!
俺はお前を騙して監禁までしたのに...なぜその努力が認められないんだ」
うん、いや、それ犯罪ですから。
流ってば、ほんと面白い、すき。