【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー






ーーああ、夢なら覚めてほしい。



神庭さんはとにかく最低だった。


鍵を挿したまま止めてある夜季のバイクに私を乱暴に乗せて走り出した。




「ちょっ...!勝手に乗っちゃまずいんじゃ...!
後でなにされるか分かんないですよ!!」


「あー?今更いい子ぶってられっか。
俺に喧嘩売るってことは、バイク盗まれる覚悟があるってことだ!ハハッ!!」



「...」



自由人すぎてついていけない。


でもちょっとだけ、本当にちょっとだけ


その自由さが羨ましかった。



公園からだいぶ離れた小道で、バイクを乗り捨てる神庭さん。


何も言わずちょっとだけドライブして
あんなに乗り回してたくせに最低だなって思ったけど口には出さなかった。





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