【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「ムギぃ...泣くなよ。
お前に泣かれると俺まじでどうしていいかわかんねーんだよ...」
暴走族の総長までやってるくせに
急に弱気になる流を見て簡単にピタリと止まる涙が憎い。
だってなかなか見れないんだもん
いつも自信満々の流が弱気になるとこ。
萌えですよ萌え。
...まあ簡単には許してあげないけど。
「今日...女の子が好きな人にチョコレートを渡す日なんだよ?」
「...」
「なのに流ってば私以外の子から受け取って...。
勘違いさせたらどうする気なの?」
「俺はてっきり、毎日頑張ってる流様に差し入れだと思ったんだけど...。
つーか今日いっぱいチョコレートもらったぜ!?
俺モテモテじゃん!!!!」
親指の腹を見せながら喜ぶ流に、呆れてため息すら出てこない...
ていうかそこは
『まじか、ごめんなムギ?
俺今度からはちゃんと断るから。
彼女のお前からしか受け取らねーよ、愛してるぜ』
ぐらい、言ってほしかった!!
「つーかさ...それならムギちゃんも俺にくれるってことだろ?」
「へっ?」
「チョコレート。
好きな人に渡す日なら、俺のこと大好きなムギは俺にくれるんだろ?」