【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
下から手を伸ばして私の顎を掴んでくる流は、もったいぶる私にイライラしていた。
強引な流もいいなぁ...なんて。
バレンタインデーで頭おかしくなったのかな私。
そりゃあ私だってあげたいけど
素直になれないんだもん...。
だって、私はお店で買ったプロが作ったチョコレートだけど
流にあげた女の子達は、きっと手作りだ...
気合が違いすぎる。
こんな事になるなら私も作ればよかった...
そしたら素直に渡せたのかもしれないね。
「私...手作りじゃないよ?
しかもお小遣いギリギリだったから安いの買ったし...」
「んな事いちいち気にしねーよ。
腹ん中入れば全部一緒だろ?」
「...せっかく勇気出して流にあげた女の子たちが、その言葉聞いたら絶対悲しむよ?」
「だからお前以外の女は俺にとってどうでもいいんだって。
早くくれ」
「うん...」