【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
か細い声
細い腕
痩せすぎて、今にもなくなりそうな体。
よく見たら目の下にクマ
頬のコケだってうっすら見える。
「...そんなボロボロになるまで、なんで誰にも助けを求めなかったの?優美」
「ーーーーッ...」
「いじめなんて見て見ぬ振りが基本なんだから
どうせなら大声で助けを求めちゃえばいいんだよ」
「でもっ!!!!」
顔を上げた優美の口から
飛び出しそうな言葉を押さえ込むように、そっと優美の手に私の手を添えた。
「優美、もう我慢なんかしないで...」
「...」
「せっかく流が助けたんだよ?
助けてもらったからには...幸せにならないと」
「...っ...」
「ねぇ...?」
そうでしょ、流?
助けられた方が死ぬ気で幸せにならなきゃ
助けた意味なんて、ないもんね?
負ける事にだって強さが含まれてる。
でも、最後まで立ち向かった優美は負けてなんかいない。
むしろずっと1人でいじめと闘って耐えてきたんだ...
優美は強い
強いから、後は他人(ひと)に頼る勇気さえあればーーー...。