【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
指と指でつくった輪っかのなかに
余裕で入りそうな優美の手首を掴んで空き教室に移動した。
空き教室ってほんと便利なんだ。
ホコリ臭いけど、あんまり目立たないから誰も入ってこないし。
サボりにはちょうどいい...
今屋上なんかに行ったら
優美の心の傷をえぐることになるしね。
「さて、優美。
なんでいじめられるようになったの?」
そこらへんに倒れてるイスを立て直して座る。
優美は目を瞑りながら、誤魔化さず答えた。
「ちょっとだけ...現実離れしてる話なんだけど
信じてくれる...?」
「もちろん」
「...ありがとう」