【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
ジャングルみたいな家なんてあるはずないのに。
冗談か冗談じゃないか分からない流の発言にクスクス笑ってしまう。
「ムギ、お前笑った顔可愛いじゃねーか」
ズバッと直球で流に言われ、イヤでも顔が赤くなる。
開けっ放しの冷蔵庫に顔を入れて顔の熱を冷ました。
「おいおい、おめぇ彼氏いたくせにピュアすぎねーか?
んな事で顔赤くしてんなよ、意味わかんねー」
「だっ...だってそんな直球で言われたことないし...」
「俺はよくカッコイイって言われるぞ、直球で」
「...」
このナルシスト。
でも本当に流は顔が整ってるからなんにも言い返せなかった。悔しい。
流と居ると、圭に振られた悲しさが半減されて。
料理を作ってるときなんか、余計に圭の事を忘れることができた。
でも...
「おーうめえうめえ、美味いぞームギ」
「口に合ってよかった」
パクパクと手と口を休めることなくオムライスを食べる流。
その姿を見て切なくなったのは、今目の前にいる人が圭じゃなくて流だから。
いつもなら圭に作ってるはずの料理。
なんでかな、振られたばっかりだから、嫌でも頭の中と心を圭に支配される。
圭はズルイ
ずるいよ、あんな恋の終わらせ方、逆に胸に住みついちゃうじゃん。