【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
覚悟を決めた優美の口から息が漏れる。
「暴走族って知ってるでしょ?」
「うん、」
知ってるもなにも超身近に居ますから!
「その...私。
ある人に恋してね、一目惚れだったの。
その人はね見た目からしてすっごいヤンキーで、よく学校帰りに見かけてたの」
「うん?」
「私みたいな地味な子がとてもお近づきにはなれないくらい、ほんと目立ってたの」
「...それで?」
「だけど、学校の帰り道をいつも通り歩いてたら私に声をかけてきたの、あの人が。
『お前いつもここ通るよな?』って。
すっごく嬉しくて、でも緊張して上手く話せなくて」
「...」
「それから顔を合わせる度に話しかけてきてくれて、一気に距離が近づいた私達はいつの間にか恋人関係になってたの」
「へぇー!!すごいねっ!!」
運命的な出会い
すっごくキュンキュンする。
だけど優美は私から目を逸らして俯いた。
一瞬で察しはした
この男から優美の人生を狂わせる"すべて"が始まったんだと。