【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
彼氏の成長に涙する彼女なんて
今どきいないと思う。
私ってばなんて健気なの!って
自分に酔ってる私に言葉の暴力とは何事ですか流さん!!
「流なんか嫌い!!」
ぷいっとそっぽ向きながら。
「...ムギ、嘘だとは分かってるが、さすがに"嫌い"は...傷つく。
俺はお前のこと誰よりも好きなんだからよ...」
あっ、だめだ
この男、ほんとズルすぎる。
その場にしゃがみ込んだせいで流の服のシワが全部下に向かって浮き始める。
落ち込む流が可愛い...
可愛いから、もう抱きしめたい!!
とても愛らしい...
「もう!嘘だよ!!
好き大好き!!
私が素直じゃないって知ってるくせに...っ!!」
言いながら、その広い背中に抱きつけば
器用に体を私の方に向けて、そのままお姫様抱っこする流。
「ちょっ!!流!!夜季の皆見てるから降ろして!!」
「可愛いなお前、ほんと可愛い。」
「ーーーッ!?」
「お前が俺のこと好きだなんて、当たり前だろ?
そうじゃなきゃ困るし、つーか本当はこんな"野郎"だらけのところにだって連れてきたくなかったんだ」
「...んぐっ」
「他の男...視界に入れてる暇あるなら、俺だけ見てろよな、ムギ」
「...っ...」