【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
憧れのお姫様抱っこ
何回されたって、これだけはきっといつまでも女の子の憧れ。
下から見える流の顔が王子様みたいで
ずっとこのドキドキに浸っていたかったのに。
「...総長、そろそろ本題に入ってくれねーか?
俺らはお前らのラブラブ見に来たわけじゃねーんだよ」
腕を組みながら、相変わらず積まれている段ボールにもたれながら言う圭。
「あぁ、悪ぃ悪ぃ。
そうだな、ここに全員呼んでおいてムギとイチャイチャして悪かったな」
流が私をゆっくり降ろす。
もっとお姫様抱っこ...してほしかったのに...。
圭を睨んだ後、流を睨むと
「また後でな」と、頭をポンッと軽く触られて、胸の奥が熱くなる。
「ねぇ!!今のすっごく恋人ぽかったと思わない!!?」
グルリ!と体の向きを変えて、少し後ろにいた山崎君に聞く。
「...紬ちゃん...相変わらず元気だね」
「もう流がね流でねそれでね!」
「あーはいはい惚気はいいから。
ほら、総長の話ちゃんと聞いて」
「...むぅ...」