【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「優美...っ?」
「いいよもう、ほんといいから。
このままじゃ紬までいじめられちゃうよ...っ!」
彼女の悲痛な叫び
涙目のくせに、怖いくせに
人のこと1番に考えられるなんてすごいよ優美。
持っていたハンカチをポロッと床に落として優美が慌てる。
なにが面白いのか、それを見て笑ういじめっ子達。
どうやら優美が跪いてハンカチを拾う姿が面白いらしい。
...ほんとこいつら悪趣味だよ。
「...ねぇ、水かけられた人の気持ちって考えたことある...?」
俯きながら問いかけてみた。
「はあ?なにこいつ急に。
きもいんだけど」
「ついに頭おかしくなったんじゃない?」
「つーかさっさと消えないと、あんたも痛い目みるよ?」
ゲラゲラと笑ってサラサラな髪を手で触り始めるいじめっ子達。
美しい顔を持ちながら中身は最悪。
この世で1番醜いのはあんた達みたいな奴らだよ。