【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー







美味しかったケーキもこの人達のせいで後味が悪くなっちゃった。



お店から出た後も
後ろから「ねぇーねぇー遊ぼー」としつこくついてくるナンパ野郎についにブチ切れる梓。




「あんたらいい加減にして...っ」




怒った梓を無視して急に俯く不良が
「やべぇ!」と慌て始める。




「ん?どうしたんだよ」


金髪の方がもう1人の方に目を向ける。



「いや...これ実は総長から借りた腕時計なんだよ...。
さっき水かけられたとき壊れたみたいだ」



「まじ!?お前それやばいって!!
なんでそんな高そうなもん借りたんだよ!!」



「いや、だってさー!あまりにもカッコよすぎて1日でもいいから付けてみたかったんだよ。
借りるのに結構金かかったけど...こんなの俺の金じゃ簡単に買えねーし」



「...バカかよお前、すぐ謝りに行くぞ」



「...許してくれるかなー...?」



「知らねー...つか絶対弁償だろ...」





ブツブツと話し始める不良2人。


さっきまでの威勢はどうしたんだろう...


もう私達の方に目を向けることなく、さっさとどこかへ行ってしまった。




「なっ、なんなのあいつらァーー!!!!」





薄暗くなってきた空に向かって大声をあげる梓。



仕事帰りの大人や学生がチラチラ私達を見てくるけど
梓の抑えられない怒りに便乗してこの後愚痴りながら家まで帰った。






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