【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
いつもと違う流の低い声に、ごくりと喉が鳴る。
あっ怒ってる...
いや、うん。
怒って当然だよね...?
「りゅう、ごめんね。
連絡しなくてごめんね」
「...」
「りゅう...?」
テーブルに置かれてあるガラスコップが数個倒れてあった。
多分お茶が入ってたんだと思う。
テーブルは水浸しでそのまま放置されていた。
「...お前、どれだけ危ない状況なのか分かってんのか?」
「えっ」
「暴走族の女ってこと、もっと自覚持てよ...。
あれだけ夜季の倉庫で状況説明したのに」
「...」
「"女の私には関係ない"とでも思ったか?
大ありだ、逆にお前が1番狙われやすいつーの」
「...」
「嫌でもなお前は俺の女なんだよ。
夜季の総長が俺だって知れ渡った瞬間から、俺の女であるお前も危ないの、分かる?」
「...」
「...チッ、無言かよ。
もういい、今日は寝る。
明日圭に謝っとけ。あいつすっげー怒ってたから」