【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
不安な気持ちを抱えたまま学校に行くと、さっそく圭に昨日のことを謝ろうとした。
謝らないと、流に合わせる顔がないから。
...だけど。
圭の姿はどこにもない。
屋上にも職員室にも学校の裏庭だって。
圭の居そうな場所を全部探してみたけど見つからなかった。
「はぁ...」
深いため息を零しながら入った教室には梓の姿が目に映る。
「どうしたの紬、暗い顔しちゃって...」
「...」
「あー!もしかして昨日のナンパ野郎の事ね!?
ほんとムカつくよねー!しつこく絡んできたくせに謝りもしないでどっか行っちゃってさー!
おまけにお店は追い出されるし昨日は最悪だったよ〜!!」
「...」
「...つむぎ?」
黙(だんま)りの私を心配して顔を覗き込む梓。
どうしよう...梓の話が頭に入ってこない。
わたし...完全に流に嫌われちゃったのかな?
別れようって言われたらどうしよう...
嫌だよそんなの...別れたくない
私...別れたくないよ...りゅう...。