【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
見せられたスマホ画面。
簡単に目に映り込んできたその画像に
一瞬、恐怖で心臓が止まりそうになった。
...なに...これ...?
画面に映し出された画像は
昨日私達をナンパした男達。
...が、血だらけになって倒れている写真だった。
「...えっ...友達...なんだよね?
なんでこんな...っ」
合成写真だったらいいのに。
そう願わずにはいられないくらい
本当にひどい写真だった。
男は口角を上げて楽しそうに私の顔を見ていた。
ジッと、冷たい目で。
「ねぇ紬ちゃん、怨むなら君の彼氏を怨んでね」
「...へっ?」
急にドンッ!とお腹の辺りから鈍い音が。
痛いなんてもんじゃない、視界がひどいくらいに揺れる。
「...り...ゅ...う」
意識が途切れる前に呼んだ名前は愛しい人の名前だと、ハッキリと覚えてる
けど
流の名前を口にしなきゃよかった...。
私は痛みと共に意識を失った。