【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「ムギ、飲め」
「うん、ありがとう...」
バイクで少し離れた所まで来た。
この辺はほんと何もない、あるのは田んぼと民家と自動販売機くらい。
その中で1番目立ってる自動販売機の前にバイクを止めて
流が温かいココアを買ってくれた。
「少し...落ちついたか?」
言いながら、私の頭を撫でてくる流。
その優しさに思わずポロリと涙が出た。
「な...んで、怒らないの?」
「...あ?」
「普通怒るとこじゃん!!
あれだけ油断するなって言ったのに、バカだって、...私を責めてよ!!!!」
「...」
やだよもう...
こういう時に優しくされるのが1番辛い。
梓たちと遊んで帰ってきた日は、すっごく怒ってくれたくせに...
なのに...なんで...。