【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「お母さん...」
ゆっくりお母さんと目を合わせた。
「あんた...っ!!
今までどこに行ってたの!!!!!!」
外は真っ暗で、ご近所迷惑もお構い無しにお母さんが大きな声で怒鳴り始める。
「ごめ...んなさ...」
震えた声で謝って、また玄関の方に目を向けたら
今度はお父さんの姿がすぐそこに。
お父さんは何も言わずに私の前に立って
ーーーパンッ!!と私の頬を叩いた。
「お前は...っ!
どれだけ人を心配させたら気が済むんだ...っ」
この前まであんなに太ってくせに
ひどいくらいに痩せこけた両親。
頭が固い、世間の目ばっかり気にして
私のことなんか愛していない2人に嫌気がさしてこの2人から逃げたのに...
...なにも言い返せない自分が悔しくて情けない。
「...すみません、紬のお父さんお母さん。
紬を連れ回してたのは俺です」
急に横から入ってきた流が訳わかんない事を言い始めた。