【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー






「流あのね...っ!」


『お前...電話かけてきて大丈夫なのか?』


「...へっ?」


『...』




『はぁ...』と小さいけど深いため息が耳元に直接届いて、嫌な予感がした。




「あっ流それでね、」


『...ムギ』


「私あの、」


『ムギ、聞けって』


「あっ、今日色々大変だったね...」


『ムギ、いい加減にしろ』


「...」



必死に流を繋ぎとめたくて
何も聞こえな振りをしてたのに。




『...俺ら、ちょっと距離おこうぜ』



離さないって言った張本人がこんな事言うんだもん。



心臓が痛いくらいに音を鳴らせて、涙腺を麻痺させた。






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