【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
荷物も持たずに勢いよくアパートから飛び出して、暗い夜道を走った。
圭と2人で住んでいたアパート。
思い出しか残ってないアパートは今日から私なしの、圭と圭の新しい彼女のモノに。
まだまだ子供の私は後先考えないバカだから
お母さんとお父さんの反対を押し切って彼氏の圭と住むことを選んだ。
『一緒に住もうぜ紬。
そしたらお前と居れる時間、もっと長くなるだろ?』
ふわふわって。
あの甘い言葉が、恋心が、私をくすぐったんだ。
圭しか見えていなかった
私の中心は全部圭で回っていてーーー。
でも圭は...簡単に私を裏切ったんだ。
「うっ...ぐぅ...ひっ...」
嗚咽が止まらない。
涙も止まらない。
圭への想いが...止まらない。
どうして圭...?なんで急に...?
わたし、圭になにかした...?