【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
確か流の親は滅多に家に帰ってこないほど仕事人間なんだっけ?
働いて働いて生活費だけ流に送るなんて、流がちょっと可哀想
家族の時間はお金では変えられないのにね。
まあ...彼氏と一緒に住むために家出した私が言える立場じゃないけどね...。
「よーし!なんとか必要なもんは買い揃えたな!」
「流ごめんね、迷惑かけて」
「ああん?気にすんな気にすんな!!
俺とお前の仲だろ?」
ニカッと笑いながら私の背中をバシバシと遠慮なく叩いてくる流。
出会ったばかりだから”仲”もなにもないと思うけど...。
お店から出ると、夜の世界は完全に出来上がっていて
複数並んだお店から漏れてる光に反射して、流の髪の毛の隙間から見えるピアスがキラキラと光っていた。
「他に...あっ!おめえ下着!!下着買ってなかったなそういえば!!買いに行こうぜ!!一番大事だろ!!??」
「ちょっ...!!こんな所でそんな下品なこと大きな声で言わないでよ!!
別にいらないよ!!」
「はあー!?お前もしかして俺の下着着ようとか考えてねーだろーな?
男もんだぞ??無理があるつーの」
「ちがっ...!!
私だってちょっとくらいお金持ってるし、そのお金で下着くらい買えるよ!!!!」