【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
ギャーギャーと言い合いながら、駐車場に止めてあるバイクに跨る。
結局下着も流が買ってくれた。
なんでも失恋祝いらしい...失礼なやつ。
「それにしてもよームギ、お前軽すぎねーか?
なに食べたらそんな痩せるんだよ、もっと太れ、そしてもっと美味いもん食えや」
運転しながら後ろを振り向く流の背中を力加減なしで叩く。
「痛えな!!ふざけんなムギ!!!!」
「よそ見運転しないでよ!!私まだ死にたくないんだから!!!!」
「バッキャロー!この俺様を誰だと思ってる!!
運転のプロ、流様だぞ馬鹿野郎!!」
私に叩かれたことが気に入らなかったのか、わざとスピードをあげる流はほんっっっと性格が悪い。
流のおかげでヘルメット被ってても意味が無い。
イヤでも夜風を浴びせられ、終いには酔いそう。
前でギャーギャー怒ってる流を無視して
流の背中に顔をうずめると、さすがネオン街、バイクの音が派手でうるさい。
「...たく、うるせーな。
これだから暴走族は嫌いなんだよ」
ボソッと呟く流。
前からやってくるバイクの集団とスローモーションですれ違う。
心臓がうるさく脈打った。
.........圭だ。