【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
ーーーーバシッ!!!!
頬に熱と共に痛みが走る。
「紬!お前は昨日友達の家に泊まるなんて母さんに嘘までついて!
あの男の家に泊まってたんだろ!!?」
学校から帰ってきてまだ授業の疲れが残ってるのに。
玄関で腕を組みながら私のことを待っていた父が、怒り任せに怒鳴り始める。
父に叩かれた頬がジンジンと痛い...
昨日の流の親の話を聞いて...ちょっとくらい私だって反省したし、親と仲良くしようと気持ちを改めようと思ったのに。
やっぱりこの親じゃ無理だなって、結局現実に戻されてしまうから情けない。
私はお父さんを睨みながら靴を脱ぎ、無言のまま自分の部屋に足を進める。
そんな私を見て、余計にイラ立つ父が追いかけてくる。
「聞いてるのか紬!
その年で嘘までついて男の家に泊まることが、どれだけ恥ずかしいことか知っているのか!?」
「...この年なら全然恥ずかしいことじゃないし。
私もう結婚出来る歳なんだよ?」
「そういう事を言ってるんじゃない...っ!
近所の目だってあるんだ...お前がちゃんとしてないと、私と母さんまで何を言われるか...分かったもんじゃない」