【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー





「やっぱバイク、隠したほうがいいか?」


「いや、このままでいいよ。
 ここまで家のスペースだし。
 近所の人が何か言ってきたら、流が黙らせればいいじゃない」


「あのねぇ……だから俺、不良やめたんだって」



冗談が言えることが心地良い。


「それじゃあ…行くか」


ピリッと空気を変え、流が顔を引き締める。


不安なんて何もない。


だって流がいれば、なんにだってなれるし
敵わないものなんてないんだもん。



私はスカートのポケットから、家の鍵を出し、差し込んだ。


軽く回して、解除される音が聞こえ、すぐにドアを開けると。



「お父さん……」


玄関で、父が立っているのは、予想通り。



< 368 / 390 >

この作品をシェア

pagetop