【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「やっぱバイク、隠したほうがいいか?」
「いや、このままでいいよ。
ここまで家のスペースだし。
近所の人が何か言ってきたら、流が黙らせればいいじゃない」
「あのねぇ……だから俺、不良やめたんだって」
冗談が言えることが心地良い。
「それじゃあ…行くか」
ピリッと空気を変え、流が顔を引き締める。
不安なんて何もない。
だって流がいれば、なんにだってなれるし
敵わないものなんてないんだもん。
私はスカートのポケットから、家の鍵を出し、差し込んだ。
軽く回して、解除される音が聞こえ、すぐにドアを開けると。
「お父さん……」
玄関で、父が立っているのは、予想通り。