【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー





「今日はドライブに行こうぜっ!
 思えば俺ら、お家デートが多かったもんな」

「一緒に住んでたもんね」

「あー……家にムギちゃんが居ない今の生活は、俺にとってとてもとても地獄なのさっ」

「嘘つき」

「嘘じゃねーよ」


急に真剣な顔つきで、私の手を握る流。


「ちょっ…こんなところで…」


まさかキス!?なんて…思っていた矢先。


「このアイスクリーム、バニラ味を貴様にやろう」


ギュっと強く握らされたアイスの棒は、棒だけで、アイスなどなかった。


「〜〜〜っ!りゅう〜〜!」

「ハハッ!!それじゃあムギちゃん行きますか!」

「ちょっ…!」


怒ろうとしたのに、そんな私のことなんか構いやしないと。

流は私の頭に用意していたヘルメットを被せた。



< 386 / 390 >

この作品をシェア

pagetop