【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「今日はドライブに行こうぜっ!
思えば俺ら、お家デートが多かったもんな」
「一緒に住んでたもんね」
「あー……家にムギちゃんが居ない今の生活は、俺にとってとてもとても地獄なのさっ」
「嘘つき」
「嘘じゃねーよ」
急に真剣な顔つきで、私の手を握る流。
「ちょっ…こんなところで…」
まさかキス!?なんて…思っていた矢先。
「このアイスクリーム、バニラ味を貴様にやろう」
ギュっと強く握らされたアイスの棒は、棒だけで、アイスなどなかった。
「〜〜〜っ!りゅう〜〜!」
「ハハッ!!それじゃあムギちゃん行きますか!」
「ちょっ…!」
怒ろうとしたのに、そんな私のことなんか構いやしないと。
流は私の頭に用意していたヘルメットを被せた。