【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
私がバイクの後ろに乗ったのを確認すると。
流は楽しそうにバイクを動かした。
冷たい風は、あなたの暖かい背中によって遮られていて。
結局、小さなことでさえ、護られてばかりの私だけど。
「おっ」
突然、流の声が前から聞こえてきた。
「あれ、圭……夜季の連中じゃねーか?」
「うそ!?」
体を落ちない程度に傾かせると、対向車線からバイクの集団が、雑音を鳴らせながらやってきた。
「…っ」
眩しかった、とても。
夕日のせいなんかじゃない。
まだ空は明るいのに、なんでこんなにも、瞳が光でいっぱいになるんだろう。