【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「神庭〜、ありがとうな!」
「総長ありがとうございました!!」
「流さんが夜季の総長でよかったです!!」
交通ルールをまもりながら走るバイクの集団は、恥ずかしげもなく、そう口にした。
ちょうど横を通り過ぎる直後に、皆は感謝の気持ちを流に伝え始める。
流がこの道を通ると、見計らっていたみたい。
先頭を走っていた圭は、何も口にしなかったが、優しい顔で笑っていた。
「…ねえ、流」
「んあ」
「人って…一人じゃないね。
ていうか生きてたら、一人になれないね」
色んな思いが巡り巡って、いまここに居る私達こそ、この世界のすべてなんだ。
人は一人では生きていけない。
そんな単純なことさえ忘れてしまう世の中だからこそ
人との繋がりは、大切なんだ。