【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー









「...圭居るけど...大丈夫なの?紬」




圭に聞こえないように、ボソッと耳打ちする梓。


梓には全部圭のこと電話で話した。


『家に帰ったら知らない女がいて、圭に一方的に別れを告げられた』って。



電話越しで梓がすっごく怒ってたけど
涙と嗚咽しか溢れ出なかった私は、ただひたすら胸の奥に残ってる恋心を繰り返し梓に話していた。



ーーーまだ圭のことが好きだって。




でももう前を向かなきゃいけないことを
思わせてくれるのが流の存在。




わたしは今、流に生かされているんだ。



そしてこの恋心を忘れさせてくれるのも流だと信じてる。




あれだけ流に『忘れろ』と言われても
忘れられなかった圭への気持ちはホンモノだった、それだけなんだ。


もう終わり、もうそばにいないから...終わりにしなきゃ。




「うん、私はもう圭にとって特別な存在じゃないから。
私も前向いて、圭よりいい男見つけるんだ」



「さすが紬!!その意気その意気!!!!
もし寂しかったら私の男友達、紹介しようか?」



「いや...それはいいや、そんな気分じゃないし」






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