【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「ついてこいよ」と先に教室から出ていく圭を追いかけて、少し後ろを歩く。
私達以外に廊下を歩く生徒達が、俯きながらただひたすらに圭の後ろを歩く私を奇妙な目で見てきた。
たぶん不良に恐喝されてる女子生徒にでも見えてるんだろう...
圭は学校ではあんまり好かれてない、暴走族の総長だから。
圭の存在を知らない人はこの学校にいないと思う、たぶん。
「ここに、入れ」
ドアを開けてホコリ臭い空き教室に入れと親指で支持してくる圭、俯いたまま入った、やっぱりホコリ臭い...。
勢いよく閉まるドアの音が聞こえる、もう戻れない。
「...お前、本当に神庭の女なのか?」
さっそく聞かれた流との関係。
圭はたぶん、流のことを警戒してる。
だってあの日圭に喧嘩売った日、流を見る圭の目の色が変わってたから...
あんな圭、今まで見たことない。
「...私が流の女だから何だっていうの?
もう、圭には関係ないことでしょ?私と誰が付き合おかなんて」
「ああ、そうだな。俺には関係ない。
だけどな、相手が神庭ってーのが気に入らねーな」