【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
圭はいつもいつも唐突すぎる。
あの夜、私に言われたことよりも
流の存在の方が気になっていたなんて...ムカつく。
私、なんでこんな奴好きになったんだろう?
自分勝手で嘘つきでーーーでもそれ以上に魅力的で。
「なあ...紬」
悔しくてこぼれ落ちた涙を圭の手のひらが受け止める。
ただただ胸の奥が痛かった。
私だけを見てほしいのに、いつだって圭の視界に入ってるのは私じゃない、私以外だ。
「泣くくらい...まだ俺のこと好きなのか?」
「すっ...きじゃない...」
「嘘つくなよ、別に俺はより戻してもいいって思ってるぜ?」
「へっ?」とマヌケな顔を晒しながら顔を上げた。
久しぶりに圭とキスできるくらいの近い距離、震える唇が彼を求めてる。
「神庭を夜季に入るよう説得しろ、そしたらよりでもなんでも戻してやる」
「...っ」
「全部お前次第だ。
俺のために働く、それがお前が俺にできる唯一の愛の証明だ」