【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
ドラマみたいに呆気なく終わる私の恋。
フラフラと生気を感じさせない足取りで
着いた場所は公園だった。
錆びだらけの古びたブランコに腰をおろして
無数に光る星を見るつもりが、上にあるのは真っ暗な世界だけだった。
「け...い、圭...やだよ、けい...」
名前を読んだって意味がないことくらい分かってる
でも、それでも。
受け入れたくない現実は誰にだってあるはず。
風で揺れ始めた黒髪が、遊具が、ただただ悲しくて
温めたつもりはないのに、涙だけが嫌味っぽく熱かった。
それから多分数時間は経った。
泣くだけで流れる時なんて、いっそ壊れてしまえばいいのに。
今日からこの公園が私の家、うん、そうしよう。
何時間もブランコに座ってたら、さすがにお尻が痛くなって、立ち上がり眠る場所を探した。