【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー





えぇ...。


何言ってるんだろうこの人。


隣でギャーギャー騒いでる流を無視して
口をティッシュで拭いた。




おかゆは無事に完食
鼻が詰まって味はしなかったけど、流が作ってくれたってだけで嬉しい。




「流ありがとう!!」


この時だけは落ち込んでることを忘れてニコッと笑った。


そんな私の頭を目を細めながら撫でる流に...心臓が止まりそう。




「やっぱ笑った方が可愛いぜ?ムギ。
笑顔が綺麗なやつは心も綺麗だ」



「心が綺麗だなんて...ありえないよ...だって私」




圭に流を売ろか迷ってるんだよ...?



流はわたしが圭に脅されてるって知ったら
たぶん助けてくれるだろうけどーーー。



これは脅しじゃない取引だ。



圭の気持ちを取るか
流の気持ちは取るか



そういう取引だ。





だけど、今この瞬間
流の優しさに触れて、やっぱり流を売ることなんて出来ない。




私は今日で完全に圭とサヨナラするんだ。





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