【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「りゅ...りゅりゅり、なにしてんの!!??」
「こんなもんは舐めときゃ治るって言うだろ?」
なにそれ野生児すぎるよ。
流の舌が傷口をなぞるから、痛みが増す。
痛すぎて涙で濡れた私の目元に流の指が触れる。
「き...汚いよ!!流!!」
「お前笑顔もいいのに、泣き顔まで可愛いとか、いいなあ。
まあ、あの圭ってやつに泣かされるのはムカつくけど」
指から出る血を完全に吸い取った流は、私の血で口元が汚れていて。
吸血鬼みたい、ちょっとカッコイイとか思っちゃったけど、正直こんな事されて引かないわけがない。ドン引きだよ。
「流のバカぁ!!変態!!普通血出なくなるまで吸い取る!!??」
「1週間まともに飯食ってねーんだ。
そりゃあ血でさえも美味く感じるって」
「いっ...1週間もまともに食べてなかったの!!??
なんで!!??」
「はあ?だってムギの飯じゃねーと食う気しねーもん」
「...っ...バカ、私が作らなくてもちゃんと食べなよ...」
「じゃあ作れよ、俺のために」