【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
少しでも怪しまれたら終わりだから
小銭さえ尽きた財布を持ってお家から出た。
流、なにも相談せずにごめんね。
わたし今から1人で圭と闘ってくる
もう...迷わないから。
どんなに忘れようとしても忘れられなかった圭と今日でキッパリ縁を切る、これが私の唯一できる再出発だから。
流から借りたパーカーを深くかぶって勇気をもらう。
胸に閉まった恋心を解放するように
緊張で止まってしまいそうな心臓近くに、「よしっ!」と気合い1発。
向かうは夜季の倉庫...
寒さで冷えた重い足を引きずりながら夜道を歩いた。