【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー




”姫”なんて、ただの総長の”女”


ただ可愛く呼んでいるだけ、暴走族のくせに。



...でも嬉しかった、あの時本当に仲間だと認められている様な気がして、みんな優しかったから素直になんでも話せてた。



それなのに。
圭と終わったってだけで連絡もなにも一切来ない。



つまりそういうことでしょ?
私って馬鹿みたい、どうせただの女よ。





「むーかーつーく!!!!!!」




明かりのないこの場所で
靴の先を土にくい込ませて1人夜空に向かって叫びながら投げた石は、女が持てるような大きさじゃない石。




火事場の馬鹿力とはこういう事を言うのか...





ーーーガッシャン!!!!!!と大きな音がシャッターをへこませたと同時に、そのシャッターがゆっくり開いた。





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