【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「圭と話があるから...ッ」
「...」
「別に振られて復讐とかそんなめんどくさいこと、しに来たわけじゃないからさ...圭呼んでよ...。
圭居るんでしょ??」
「...」
空気が重すぎて息が詰まりそう。
早く帰って流の顔がみたい。
不安で押し潰されそうだ。
「ちょっと待ってろ...」と、前まで敬語だった下っ端が私に『夜季』とどでかく書かれた背中を見せて別の部屋に入っていった。
あっちは幹部と総長しか入れない部屋。
たぶん圭を呼びに行ってくれたんだ...有難い。
しばらくしてドアが開いた。
圭の登場に、悪かった空気が更にピリつく。
夜季のメンバーもさっきまで怖い顔して私を見ていたくせに、今は目線を圭だけに集中させている。
圭がゆっくりと私の前に立った。
「入れよ紬」
「別に話すだけだし、ここでいい...」
中に入ってシャッターを閉められたら逃げられない。
そこらへんは馬鹿な私でもちゃんと考えてる。