【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー






「圭と話があるから...ッ」


「...」


「別に振られて復讐とかそんなめんどくさいこと、しに来たわけじゃないからさ...圭呼んでよ...。
圭居るんでしょ??」


「...」




空気が重すぎて息が詰まりそう。


早く帰って流の顔がみたい。


不安で押し潰されそうだ。




「ちょっと待ってろ...」と、前まで敬語だった下っ端が私に『夜季』とどでかく書かれた背中を見せて別の部屋に入っていった。



あっちは幹部と総長しか入れない部屋。


たぶん圭を呼びに行ってくれたんだ...有難い。




しばらくしてドアが開いた。


圭の登場に、悪かった空気が更にピリつく。



夜季のメンバーもさっきまで怖い顔して私を見ていたくせに、今は目線を圭だけに集中させている。



圭がゆっくりと私の前に立った。




「入れよ紬」


「別に話すだけだし、ここでいい...」




中に入ってシャッターを閉められたら逃げられない。



そこらへんは馬鹿な私でもちゃんと考えてる。






< 61 / 390 >

この作品をシェア

pagetop