【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー




「でっ...?答えは決まったのか?」


ポケットからタバコを取り出した圭が
隣いる男からライターを借りて火をつけた。



圭のタバコの匂い
大人っぽくて苦い匂い



この匂いが好きだった。



鼻にやってきた煙から匂うタバコの匂いに切なさを感じながら、グッと拳に力を入れた。




「流に...言えなかった、いや、自分の意思で言わなかった」


「...お前は俺とヨリを戻したくないのか?」


「ちょっとその言葉に揺らいじゃったけど
やっぱり流を暴走族になんか入れたくないし、なにより流が大切だから...」



「フッ...本気で惚れたか?」



「...そうかもしれないね...
だからこれで、圭とは本当に終わりにする。じゃあね」





カッコつけて、またパーカーを深く被った。



でもよく言うでしょ?


ーーー敵に背中を見せるなって。





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