【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
ズルッと被っていたフードを掴まれ脱がされた瞬間、そのままフードを引っ張っられ倉庫の中に入れられた。
ドサッ!!と勢いよく尻もちをつく。
「ちょっ、なにすんの!!??」
後ろを振り向けば引っ張った犯人はまだタバコを吸い終わっていない圭。
シャッターが勢いよく閉まる。
「断られて簡単に帰すと思うか?
お前は人質だ、もうすぐ神庭がここにやってくる」
「なっ...!?流が夜季の倉庫に来るわけないじゃん!!!
だって流にはコンビニに行くとしか言ってないもん!!」
「物事ってーのは、結構淡々と進んでいくもんなんだぜ?紬」
「...っ」
...それって、もしかして
元々私を人質にするための罠だったってこと?
答えを出しに一人ノコノコと夜季の倉庫に私がやってくるって分かってたって事だよね...?
でもだからって
流には夜季の倉庫に行くって一言も言ってないもん、バレてるはずがない。
「なあ紬...手荒な真似はしたくないんだ、元は恋人だしな、俺ら」
私の前にしゃがみ込んで目線を合わせる圭は嘘つきな綺麗事で私を慰めようとする。