【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
もう何もかもゴチャゴチャだ。
頭を冷やして色々と整理したい。
流に聞きたいことがいっぱいある。
聞かなきゃスッキリしないことは分かってるけど
もう誰とも関わりたくない、男なんて最低な生き物よ。
「おいムギ、帰すなんて一言も言ってねーぞ」
流に勢いよく腕を掴まれた
力加減なしで、すっごく痛い。
「嘘つき...騙してたなんて...流なんか最低よ、大っ嫌い...」
手を払い除けながら後ろを振り向けば
ボロボロと頬に伝う私の涙を流は許可なしに指で拭う。
「んな冷めてーこと言うなよ。
そもそもお前が圭に俺を”売れば”、お前は何も知らずにいられたんだ。
そのまま怪しまれずにすんなりと俺は夜季に入ることになるだろ?」
”それなのに”と付け加えて。そのまま話を続行する流。
「お前が俺を庇うから、俺の作戦は失敗だ。
正直圭とより戻したくて俺に夜季に入ってって言うと思ったのに」
「...」
「ちっと計画が狂っちまった。
お前に夜季と俺に関わりがあるなんて話すつもりはなかったが、どうせいずれはバレると思ってな。悪かった」