【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「...っあ...」
頭が痛い。
意味もなくガンガンと痛みがずっと響いてる。
真っ白なシーツに包まれながら上半身だけ起こした。
「おはようムギ、朝ご飯食うか?」
隣から聞こえてきた声に、のんきにあくびしていた口がそのまま開いた状態に。
私が眠ってるベッドにそのまま腰を下ろしてる流。
流を見て、なにか大事なことを忘れてるような...
記憶のカケラをパズルのように一つ一つ当てはめていくと、昨日のことを思い出して顔が真っ青になる。
倉庫から出ようとしたあの後の記憶が無い。
「ムギ、どうした、顔色悪いな」
「やっ...!触らないでよ!!」
おでこに触れようとしてくる流の手が怖くて、勢いよく払う。
こっちだって精神的に弱ってるのに
一瞬辛そうに顔を歪める流に、なぜかズキンと胸が痛くなった。