【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー






ガシャン!!と重い金属音。


ベッドから降りようとしても、なにかが私を引っ張って降りられない。





「...なに...これ」




ベッドの脚にグルグルと巻かれた鎖


その鎖に付いている手錠が私の手にはめられていて、絶句する。




「なあ、ムギ」



付けてくれた可愛いあだ名を呼びながら、流が私の肩に手を置いた、体は正直に恐怖でビクッと反応する。




「俺はな、お前が圭と付き合ってる時からずっとずっとお前の事が好きだったんだよ」



「...っ...」



「それなのに、圭から離れて、やっと俺の隣にいるお前を俺が簡単に手放すわけないだろ?」



「...」



「好きだぜムギ...これが愛じゃないなら俺はなんも信じねえ...。
俺は無理矢理にでもお前の心を手に入れる」




優しく私の手を取って、はめられてる手錠にキスする流。




狂ってると思った


それと同時に


ーーー綺麗だと思った。





私はまるで囚われたお姫様



愛が重すぎる王子様に愛される、でもきっとそれは幸せなことだとやがて受け入れ始める



そんなおとぎ話の世界観に浸っているような心境に陥った。





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