【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
××
深い闇に落ちて数分...いや数時間が経った。
部屋のドアが乱暴に開いた音で目を覚ます。
流...帰ってきたのかな?
手で目を擦りながらドアの方に目を向けると
全開にドアが開いた瞬間、ドサッ...!と勢いよく倒れ込んできた流を見て、一瞬頭が真っ白になった。
「りゅうっ...!??」
ーーーガシャン!!!!!!
駆け寄ろうと、手を伸ばしたら大きな音で鳴る金属音。
倒れてる流の元へ行けない。
お腹を手で庇いながら倒れている流は、血で服が真っ赤に染まっていた。
暗くてもそこだけ怖いくらいに明るく見える。
心臓と視界が大きく揺れる。
人の血が床に流れていくところを見て、自分は今、流の"体内"にいるのではないかと錯覚してしまう。
人が血を流しながら倒れているところを、初めて見た。
倒れている相手が見ず知らずの人でも、何が起きたのかと焦ってしまうのに。
実際にこんな事が起こってしまっているなんて。
夢じゃないから余計に涙が溢れてきた。