【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
声を枯らして泣いた。
久しぶりに大きな声を出したせいで、カラカラの喉が余計カラカラになる。
なんでもいいから、とにかくこの胸の痛みを取り除きたかった。
もうなにも望まないから
流以外なにもいらないから
流を...助けてほしい。
彼が死ぬのが怖い、こんな気持ちいつ芽生えたのか
私が1番教えて欲しい。
俯きながら流を見ていた。
少しだけ捲れている服の隙間から見える流の肌には、小さな傷口があって。
そこから流れてる血の匂いが鼻を刺激する度に吐きそうになる。
「りゅ...う...」
嫌でも呼んでしまう彼の名前に、もう半分諦め状態になった。
その時
痛みで寝返った彼のズボンのポケットから
ポトッ...とゆっくり落ちて跳ねて転がってきた鍵。
ーーー手錠の鍵だ。
下品だなんて言ってられない。
すぐに足を伸ばして、足の指でそれをうまく掴んで取る。
手間取ったけど、ガチャリと取れた手錠
謎の解放感に手首がスゥースゥーする。