【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
余裕が無い流から漏れる吐息
流が苦しんでるのに
それさえも色っぽく感じてしまう私はバカ。
綺麗にまとめて置いてある棚から救急箱を取って急いで寝室に戻った。
ドアを開けた瞬間
服を脱いでる流の姿を見て、なんだかイケナイ気持ちになり目を逸らす。
「ちょっ...流、きゅっ、急に脱がないでよ...」
「あ?服が傷に触れていてーんだよ...。
つかお前俺の肌見て慌てすぎだろ...、別に圭の裸ぐらい見慣れてるだろ?」
「け、圭とはそこまでシてないよ...。
ただ恋人として一緒に住んでただけだし」
「...まじかよ」
渡された救急箱から包帯を取って、ぐるぐると包帯を適当にお腹に巻く流。
圭と体を合わせてなくてよかったなんて
遊ばれてたから余計にそう思う。
ただの恋人ごっこで、私の初めてを奪われてたら
それこそ立ち直れなかったよ。
まだちょっとだけ緊張してるけど、目線を流に戻す。
すると、なぜか顔を緩ませて嬉しさを全開にしてる流の顔が映るから
キラキラって、すっごいときめきが胸の奥を襲ってきた。
なんだろう、すっごく、きゅんきゅんする。