【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「まだシてないか...そうかそうか」
「もう...、なにがそんなに嬉しいんだか」
「ったりめーだろ?
あいつがお前の恋人だったってそれだけでもムカつくのに、体なんて合わせてたら、もう無理、立ち直れねえ」
「...」
「でもまあ...シてないならいいんだけどよ。
すっげえ嬉しい、嬉しすぎて血止まった」
なんて単純な男なんだろう...。
さっきまでダラダラと勢いよく流れてた血が
嘘みたいに止まってる。
でもちょっとだけ包帯の巻き方が甘い。
手を流のお腹に滑らせて、痛くないように巻き直した。
そんな私を流は嬉しそうに見つめてくるから
照れ隠しで流のお腹だけを見てた。
恥ずかしいから絶対目合わせてやんない。
「ほんとに病院行かなくて大丈夫なの?」
流をベッドに寝かせてふわふわの布団をかける。
「ああ、心配いらねーよ。
見ての通り元気だぜ俺は」
「...そんな血が出るほどの怪我までして...なにがあったの?」
「...」
「...りゅう...?」