【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
後悔するくらいなら、やらないでほしかった...
なんて、言えない。
愛おしそうに私の手を撫でる流の手が熱くて
口に出さなくても後悔していることが伝わってくる。
許さないなんて言えないよ
私はこれが罪だなんて思えない。
だって、人の愛し方は自由だからーーー...。
別に暴力を振るわれたわけでもなく
流はちゃんと私の世話をしていた。
それに私は、流を嫌いになったりしなかった
それが単純な答えだ、だから許さないなんて選択肢にすらそもそもない。
「流、私、逃げないよ」
「...」
「手錠なんて...鎖なんかに繋がれなくても
流の隣にずっといる」
「...ムギ」
同情なんかじゃない
確かな愛がここにはある。
でもあんなに圭に執着していたのに
私の恋心ってば、変なの。
監禁されて気づかされるなんて。
洗脳されたのかもね。
でも、それでも
恋にタイミングなんかないんだ
いつだって、自分が予想出来ない瞬間に落ちる。
それが恋でしょ...?