【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「ムギ...」
流に名前を呼ばれながら、ギュッと抱き寄せられ
私達2人を白いシーツが包む。
ドキドキする
この上ないくらい、ドキドキした。
「やっぱお前...俺のこと好きなんじゃねーの?」
「...まだ...言ってあげない」
「頑固なヤツ...。
まあ気長に待っとくから、早く答え出せよな」
...答えなんてとっくに出てるけど。
胸の奥にあるこの気持ちを、全部さらけだすにはまだ時間がかかりそう。
ベッドから降りて、昨日まで繋がれてた手錠と鎖を自分の手で片付ける。すっごく複雑な気持ちだ。
でももういらないから、そんなもの。
午後は幸せそうにスヤスヤとお昼寝してる流に
早く怪我が治るようにと包帯を巻き直しながら、おまじないをかけた。
密かに起きてた流は、謎の呪文をブツブツ唱えてる私を見て
「子供かよ」と、笑ってたけど、私は至って真剣だ。