【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「総長つっても、大きな喧嘩にしか出なくていいって言われて、別に無理して集団行動しなくていいとも言われた」
「...っ...じゃあ、今まで通り圭が総長やればよかったんじゃ...っ...」
1回、目を逸らした流が、また私と目を合わせる。
「結局は..."力"の世界だからな。
圭も自分だけの力じゃ、限界を感じてたんだろうな」
「...」
「表だけならあいつが総長ってことになってる。
俺が集団行動なんて柄じゃねーからな」
「...」
「だから夜季の下っ端共には言わなかった。
あいつらも圭についてきたわけで、俺についてきたわけじゃねーからな」
「...でも...ずっと黙ってるなんてひどいよ...。
それに、そのせいで流...刺されちゃったじゃん」
「...勘がいいな、ムギ」
私の頭を優しく撫でる流。
勘とか関係ないよ...
あの状況を間近で見たら誰にだって分かるよ...バカ。
「1番圭を慕ってた山崎には可哀想な事したな、マジで。
俺が本物の夜季の総長だって知って、これから夜季の人数は減ってくだろうな」
「...流も...そのまま辞めちゃえば?」
「バカ言うなよ、圭に怒られるぜ?1度引き受けたのに。
それにアイツには感謝してんだよ、お前を手放してくれて」