ぽっちゃり幼なじみはオオカミくんでした。
「よっ!亜実ちゃんだよな?おひさ〜
今帰り?」
げげげっ
何この軽い感じの男。
下校途中私の横にスっと止まった黒いスポーティーな車の窓からいかにも怪しいハーフアップのサングラス男が片手をあげて笑顔を向けてくる。
あ、亜実ちゃんってわたしだよね
突然の出来事にあたふたと周りを見てもこの道にはわたし一人。
「おーい。忘れた?俺だよ俺
今さ帰りだから乗ってく?」
あ、新手の誘拐!?
「い、いえ結構です。
知らない人の車には乗らないって常識だから。」
「いや常識って…亜実ちゃん昔っから面白いね〜。
あ、これならわかる?」
私の言ったことに盛大に笑ってみせたその人はサングラスを取る
……あ………まさか
「俺だよ〜真島翔真」
「あ、翔真くん!?お久しぶりです。」
翔真くんのこと不審者呼ばわりしてた〜
「す、すみません不審者なんて思ったりして、なんて無礼を………」
「無礼って堅苦しいな〜いいよいいよ
昔は大和っちも含めてみんな仲良かったじゃん」
弟の変わりようもそうだけど兄貴も兄貴だ。
昔はあんな爽やかだったのに…
今じゃチャラ男…飛んだ変わりようすぎてわからないのも無理ないよ。