ぽっちゃり幼なじみはオオカミくんでした。
「もう帰んの?」
「え、あ、はい」
苦笑いを浮かべるわたしなんてよそに寂しそうな表情を浮かべる翔真くんに困った。
でも次の瞬間わたしの体は外に勢いよく出された。
「よっ!帰ってきたか、ちょうど亜実ちゃん拾ってか……
「翔真、てめぇ亜実手ぇ出すなって言ってんだろ!?」
すごい形相した響くんがわたしを引き寄せるようにして車に乗ったままの翔真くんに怒鳴りつけてる。
少しして落ち着きを戻したわたしの頭は今の状況を理解出来た。
「俺に怒んなよ、お前が亜実ちゃんが喋ってくれないって泣きついくるから話す機会作ってやったんだろ。
感謝しろよな〜」
「は?ふざけんな……」
茶化したように言う翔真くんにだるそうに返す響くん。
わたしと話したかったって事?
なのにわたしあんなに響くんのこと避けてたの?
「ひっさびさ兄貴らしい仕事したわ〜あとはお2人でごゆっくり〜」
そう言って助手席のドアを閉めると車を車庫に入れ始めた。