ぽっちゃり幼なじみはオオカミくんでした。


「そうだよ!亜実よく知ってるね」


なんて少し驚いた顔でこっちを向く絵里。

ほらやっぱり…私なんてバカなの。

知ってるくせにわざわざ聞いて自分から傷つきにいってる。


でも本当かどうなのか聞きたくて、
自分のバカさにため息が出そう。

やばい、反応に困る。


「ちょっと、果歩ちゃんが前に言っててね。
響くんのどこが良かったの?」


それでも、何故か気になる私はその先も聞いてしまう。

きっと今の顔引きつってひどい顔になってるかも

ちゃんと笑えてない。


「ん〜高校の入学式ね、私ちょっとどじっちゃってブレザー汚しちゃってね、式中私だけカッターシャツで
みんなが私見てザワザワしてて、そしたら後ろにいた響くんがブレザーかけてくれて、その後なんでかけてくれたのか聞いたら

『高校入学なのに出だしから変な思いすんの可哀想って思ったら無意識に体が動いてた。これから3年間お互いいい思い出作ろうな』

ってこえかけてくれてね。
顔ももちろんカッコよくて、その神対応に惚れてそれから響くんにつり合うような女の子になりたくてメイクとか勉強してるの」


あ、なんか、理由しっかりしてて本当に好きかどうなのかもはっきりしない私なんかよりずっと響くんの事好きっぽい…

勝てっこないよこんなの…


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